ダベるブログ~略してダベログ~

空は青いし、海は広いし、つうはマンガと映画が好き♪

映画『8年越しの花嫁』レビュー

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同じテーマで、邦画・洋画こんなに違う!!

今回は同日公開だった「8年越しの花嫁」「彼女が目覚めるその日まで」

2つの作品をレビューしたいと思います。

何故、2つを一緒にレビューするのかと言えば、この2作品。

同じ病気をテーマにした実話を基にした映画なのです。

同じテーマを扱いながら、その日米の違いも面白かったのでレビューしていきます。

 

 

『抗NMDA受容体脳炎

かつては映画「エクソシスト」の悪魔憑きの少女のモデルとなった少年。

日本で言えば「狐憑き」と言われていたモノは、この病気だったと言われている。

この病気は2007年に認定された新しい病気であり、それ以前では同じ症状を

統合失調症や精神病と診断されていたと言われていた。

初期症状は幻覚や幻聴など。激しい痙攣、そして次第に昏睡状態に。

時には死に至ることもあるとされている。

 

2つの作品の特徴は動画にて…

youtu.be

それぞれの作品ごとの詳しいレビューは下記に記載します。

こう見ると日本は感動実話としてアメリカは病気の啓蒙としての側面が強かった。

患者夫婦が出した手記と患者が記者だったので違いはあるのだが

 

「8年越しの花嫁」では難病ではあるものの詳しいコトには言及されてない。

チョット言い方はきつくなってしまうが恋人や家族同士の絆を確かめ合う

ツールとしての役割になってる感は否めない。

 

「彼女が目覚めるその日まで」は警鐘を鳴らす部分では上手くいった。

が…忠実なまでに闘病を追っているので、当然だがドラマが弱い。

苦しむ本人。それを見守るしかない家族。ドキュメンタリーならば

イイのだが良くも悪くも映画としては弱い。

 

それぞれの作品のレビューは以下の通り。

彼女が目覚めるその日まで

『クロエはキャリーよりエクソシストに出るべきだった!?』

21歳のスザンナはNYポスト紙の駆け出しの記者。上司からも大きな案件を任されるようになり仕事は順調。プライベートでもプロのミュージシャンを目指すスティーブンとも順調な…ハズだった。

 

上記で書いたように映画「エクソシスト」の悪魔憑きを意識したのか。

その変貌ぶりは圧巻。奇行を行うキャラは今までのキャリアでも

やってきてはいたが、ここまで入り込んんだ役は初めて見た。

 

痙攣するシーンは見ててツラくなるくらいの迫力があるし。

可愛いルックスの若手女優が文字通り身体を張ってくれた演技だった。

 

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映画「ダークプレイス」でも狂気に魅せられた役を演じたが

その時とは比べモノにならないくらい良かった。

その緊迫感や不気味さは下手なホラーやスリラーよりも良かったのではないか。

 

そして、映像演出としてもスザンナがどういう感覚だったのかを上手く表現できて

いたように思えた。

 

分からないというコトに不安と疲労を重ねていく医師たちと家族。

病気だけじゃなく医師たちの困惑。患者自身の恐怖。家族の辛さ。

これを丁寧に描いているのでドキュメンタリーっぽさも時折、覗かせる。

 

それもあってストーリーに面白みというかドラマが弱いなぁと感じる部分が

正直、あった。

 

上映時間も90分とイイ具合。

 

8年越しの花嫁

『8年待ち続けた花婿』

尚志と麻衣は付き合い始めて1年が経った。尚志は麻衣へプロポーズをする。

互いに結婚する約束を交わす。そんな時、麻衣が突然、倒れてしまう。

いつ目覚めるか分からない状態の麻衣を待つ尚志に麻衣の両親は

「もういいんだよ。待たなくても」と声をかけるのだが…

 

予告などを見ると主題歌にbacknumberを起用するなど。

所謂、よくある感動実話ムービーな雰囲気だった。

 

けれど、実際はイイ意味で期待を裏切ってくれた。

 

ここで泣くシーンですよというようなBGMの使い方。

劇中でbacknumberの曲を流して泣かすような演出はしない。

 

BGMは極力抑えめに大事なシーンほど役者の演技に委ねる。

そして、それで画が持つ演技ができる佐藤健と土屋太鳳。

 

特に土屋太鳳は難病「抗NMDA受容体脳炎」を患った役を上手く演じていた。

クロエと比べると一歩及ばないが、それでもキチンと特徴を捉えて演じれていた。

清純派な役が多い土屋太鳳が罵倒し暴れまわり病気に苦しむ姿は素晴らしかった。

 

さらに昏睡状態時の膨れ上がった顔であったり、目が覚めて徐々に自分を

取り戻していく姿は徐々に戻っていく姿が伝わってきた。

 

相手役の佐藤健も無口で内に秘める芯の強さを持つ青年を上手く演じていた。

こういう背中で語る。演技で語るようになっていた。その渋さとウマさは

内野聖陽堤真一を彷彿とさせるくらい良かった。

 

ストーリーは感動実話の王道なのでビックリするような展開はないのだが、

それを丁寧に描いている。こういうジャンルで台無しになってる映画も少なくない中、

上手くまとまっていた。

 

まとめに…

それぞれ単体で物足りなさを感じる部分を2つの作品を観ることで補完される構造になっていたのは良かった。示し合わせた?ってくらい。

 

患った本人。そして、その病気の怖さ。苦しさにフォーカスしたのが…

「彼女が目覚めるその日まで」

 

患った本人。そして、パートナーと共に病気という試練を乗り越えるラブストーリーなのが…

「8年越しの花嫁」

 

「彼女が目覚めるその日まで」で病気を知り「8年越しの花嫁」でカップルで乗り越えるカタルシスを感じるという順番で鑑賞するのが個人的にはオススメです。